ある日、古川章蔵さんと桜さん親子展のDMが届いて、
はじめて〝章蔵さんのお嬢さん〟が陶芸の道につかれた事を知りました。
お父上の章蔵さんとは、30年あまりのお付き合いが有ります。
章蔵さんは、他の追随を許さない〝洒脱で現代的な色絵の器〟という独自の世界を展開されています。
〝その章蔵さんのお嬢さんの作品だったら、是非観てみたい ―〟。
そんな衝動に駆られ、私はひとり開催地の奈良に向かいました。
章蔵さんの器をお買い上げになるかたは、みなさん一様に「元気をもらえるわ」と言っておられます。
カラフルでお洒落な、快いリズム
自由闊達なものづくり
桜さんはどんな作風なんだろう・・。
初めて観た桜さんの作品は、大胆な構図と豊かな色彩 ― 器にパワーがみなぎり、弾けるようでした。
その上で、章蔵さんの器づくりの精神は、桜さんに見事に受け継がれているように感じました。
お二人の作品に囲まれる幸せ、 自家用にと嬉々として器を購入したことは今も忘れられません。
その夜は三人、大阪の難波とやらで、大いに飲み語らいました。
その結果、不覚にも私は最終の新幹線に乗り遅れ・・・
そんな私を古川家は温かく迎えてくださいました。
翌朝、小雪降るなか、
興福寺の阿修羅さんにもお目にかかることができました! これもまたご縁。
それは、ひとり静謐にして至福の時間になりました。
思えば、母の介護や店舗の縮小……先の見えない日々のなか、知らず不安を募らせていたのかもしれません。
そんなとき、桜さんの色絵磁器との出会いは、その後の工藝舎を存続させる大きな励ましとなりました。
章蔵さん、桜さん親子には、今でも感謝しております。
古川桜 器展 2024年 夏の展示会
今回は、桜さん個人の展示会です。
新作からお馴染みの器まで、数々の逸品が揃います。
お時間ございましたら、
〝古川桜の世界〟を
ぜひご堪能くださいませ。
工藝舎店主 室伏明美