展示会レポート

大藏 達雄
Tatuo Ookura

木地作りから塗りまでの〝一貫制作〟木地師の家に生まれ、のちに塗物の修行とデザインの勉強をしたという大藏さん。現在は静岡県の函南町に工房を構え、原木を購入して、木地作りから漆塗りまでの一貫制作をされています。通常、漆器作りは木地師、下地師、塗り師など、それぞれの工程を専門とする職人が分業で行いますが、大塚さんはこれらの工程を一人で行っており、より個性が際立った贅沢な器が生まれます。そんな大塚さんと『ぎゃらりー工藝舎』はかれこれもう35年以上(※要確認)のお付き合い。創業当時の工藝舎には土物の器が多かったので、素朴で温かみのある土物に合う、どっしりとした漆を探していました。〝粉引の器に似合って、飽きの来ない漆〟を作る大塚さんは、やはり同じく静岡県にお住まいの陶芸家・花岡隆さんに紹介していただきました。

毎日贅沢に使って、味わい深く育てる

根来塗とは、下地に黒漆の中塗りを行い、さらに朱漆の上塗りをほどこして仕上げた朱漆塗製品のこと。根来塗の朱色は使うほどに味わいが増し、透明感が出てきます。ざっくりと力強く個性的な大塚さんの作品は、長く工藝舎のお客様に愛されてきました。また、墨黒のマットな作品は、モダンでスタイリッシュな風情。器ごとにそれぞれ趣向を変えた作風となっています。毎日、贅沢に使って育てたい器です。
 2025年4月7日から5日間の日程で行われた大塚さんの個展では、初日にご本人が在廊。多くのお客様とお話しされ、桜舞い散る季節の駒込を楽しんでくれた様子でした。

PROFILE
 1952年    木曽に生まれる
 1972~75年    東京でうるし塗りの修行とデザインの勉強
 1975~82年  長野の実家に帰り、主に木地挽きに従事
 1982年    静岡県伊豆に工房を移転、作品作りをメインにする
 1990年    ぎゃらりー工藝舎にて大藏達雄展、以降毎年開催
 1996年    ドイツ巡回展「日本の現代塗物十二人展」~98年    
 2003年    黒田陶苑(銀座)にて大藏達雄展、以降毎年開催
 2012年    さんしんギャラリー善(佐野美術館企画運営)大藏達雄漆展
        その他 全国のギャラリー、百貨店にて個展開催
 2025年    初の著書『●●●●』(○○○社刊)を上梓(※要確認)